丸尾聡のラジオドラマ シナリオ講座<戯種企画>

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5/27(土)の講義内容に関してのレポートです。

今日は、丸尾さんのご紹介でいらしていただいた元NHK ドラマディレクターのゲスト講師・保科義久さんによる講義です。

前半は、演出論などアカデミックな内容、大学でも講師をされている保科さんのわかりやすく知識あふれるお話しです。後半は、受講生たちが書き上げてきた15分のラジオドラマの講評でした。

NHKで長年、ラジオドラマの制作に携わってこられた保科さん。制作側から見た作品の見方などを中心に講義開始前の雑談から講義終了まで、戯曲やラジオドラマの世界を語る情熱と見識のある言葉の一つ一つ、聞き漏らさずように受講生たちもメモをとる手に力が入ります。

 

前半の一時間は、保科さんの配られたレジュメに沿っての「ドラマ一般論」を講義。古代ギリシアのアリストテレスの著書『詩学』までさかのぼり、「ドラマ」とはどういうことか。物語では筋が大切、筋は因果律によって組む。「ただ会話体にすれば、戯曲のように見えるが、それはドラマではない」と、ソフォクレスの『オイディプス王』や19世紀の劇作家フライタークの戯曲術の例を出し、ドラマの定義について説明を熱量の多い言葉で語ります。

一番、印象に残ったのは「何を書いてもドラマになるわけではない。ドラマにできるものは少ない」との言葉。実際に人を感動させるようなドラマを感じる設定は多くはないということに、目から鱗が落ちました。

 

後半は、先生による作品の講評。辛口ながらも的確な講評が続きます。ラジオドラマなので「耳で聞くことを意識してほしい」「シーンが多すぎる」「ドラマが弱い」など、厳しい言葉が続きます。しかし、ラジオドラマ制作の目線、ドラマを面白くする方法、キャラクターの構成、葛藤と対立の作り方などをわかりやすく勉強になります。

授業終了までに先生の講評は全員分終わらなかったのですが、保科さんは「講評できなかった分は、新宿中央公園でもどこでも講評しますよ」と力強いお言葉。講座終了後、居酒屋に場所を移し、保科さんの情熱あふれる講義が夜遅くまで続きました。素晴らしい時間でした。

 

今回、講評していただいた作品を受講生がリライト。6月24日最終日の授業では、ブラッシュアップされた作品が、俳優たちによりリーディングされます。その後、丸尾さんを司会として、保科さんや脚本家・伴一彦さん、同じく脚本家・高谷信之さんが参加されての『作品のブラッシュアップ&求められるラジオドラマ』トークセッションが行われる予定です。いつもの授業よりも30分拡大して14時半~17時半までとなります。充実した授業になること間違いないと思います。

 

最後に、ラジオドラマのブラッシュアップのポイントを。「セリフだけ読んで想像して絵が浮かばなくてはならない」「自分でセリフを声に出して読んでみる」単純なことのようで、小さな積み重ねが上達の秘訣なのだとあらためて気づきました。

                                                                                                     

2017年5月30日     0 Comments

4/15(土)の講義内容に関してのレポートです。

本日の授業も受講生は全員参加です。みなさんのやる気が伝わってきます。

前回の講義で宿題として出されていた「ワーキングシート」。ラジオドラマを作る元となるもので、書いてみたい出来事、イメージなどのモチーフ、主人公の性別、年齢、職業、今、抱えている「問題」、そして主人公の障害となる人物の設定、ドラマの中の場所、この作品は何についての話なのかについて記入していくものでした。

プロットを作る前の設定がとてもわかりやすく提示されていることがわかります。

 

3つにグループ分けされた受講生の皆さん。お互いに、自分自身がワーキングシートに書いたモチーフ、人物、場所を説明し質問しあい、和気あいあいと受講生同士が盛り上がります。

一人で作品を書いているよりも、お互いに共有しあうということで、作品の土台をブラッシュアップしていきました。

 

講師からは、言葉のチョイスの仕方の説明もあり、例えば「例えば、女子高生ならばマクドナルドをマックという。もしマクドナルドと言っている場合、それには理由があるはず」どの言葉をチョイスするのかということもキャラクターの構成には必要といったアドバイスもありました。

また、ラジオドラマなど短編の作品ならば「ハリセン型のストーリー」の展開もあり。冒頭から親子ケンカなど激しい場面を入れて、興味をひかせる方法など、構造的なテクニックを教授され、受講生一同、講師の話に聞き入る場面もありました。

 

講師が全員分のワーキングシートを配り、一人ひとりの講評に入りました。宗教をモチーフにした作品には、宗教はルールが多いので決まり事を裏切っていくことになる、だからコメディになりやすいといった指摘や、犬を擬人化した作品に対しては、夏目漱石の「吾輩は猫である」を例にあげ、人間との距離感がちゃんとあればうまくいくといった指摘がありました。

また、主人公は魅力的でなければいけない。ダメなところでもどこか一つでもいいところがないといけないといったことや、事件はドラマを面白くするためのものであり、それで人間がどう動いたのかということが大事であって、事件は要素でしかないといったお話がありました。

一つ一つの作品の問題点やどうしたらもっとストーリーが広がっていくのか、とても示唆に富んだ内容でした。

次回の宿題は、登場人物表、箱書き、プロットの提出、いよいよ本格的にラジオドラマを構成していく作業になりそうです。最終日までに、受講生がラジオドラマを1本完成させるラジオシナリオ講座、次回は5/13(土)になります。

 

2017年4月22日     0 Comments