【コラム】クリエイター 執筆者:一ノ宮由加理

Pocket

 最近、というか、ここ一年ほど、芸大卒の人や芸大生、美大生の人たちと、何故か親密になる機会が頻繁に訪れております。その度に、あー、やっぱ、変わってんなぁと思うことがしばしばあり、クリエイティブなことがしたくて、社会人になってから右往左往している自分としては、そんな方たちはなんだか眩しく思えるわけです。
 羨ましいとはまた違うんだけれど、そっち側になったら、楽しいだろうなと思うけど、残念ながら、そっち側の人間ではないなぁと、日々、接していて、感じてしまうのです。
 何がいいたいかというと、クリエイティブなことをしたいと考える時点で、クリエイターではない。空気のように、当たり前にすることが彼ら、彼女らにとって、常に、クリエイティブな事柄なのですね。
 だからと言って、自分が何かを創り続けることを辞めるかと言ったら、それは違って。
誰かに頼まれてとか、お金になるとか、そんなの関係なく、自分が書きたいもの、作りたい世界を作ることが出来れば、それだけで幸せなのです。
 でも、誰かに認められたい。お金に換わる作品にしたい。そういう欲望もあるから、人間というものは、矛盾した生きモノだなとつくづく思います。

 今回の公演で、美大生たちの力を目一杯借りているので、彼らに、少しでも何かを返せたらいいなと考えています。彼らはまだ若いから、大人との接点を作ったり、世代が違う人たちの意見を聞いてもらったり、自分たちの世界でとどまらず、いろんな世界に興味を持ってもらえたらいいなと思います。
 自分が若い世代を見て、親心のようなものを持つなんて、少し前の自分では考えられなかったのに、本当、不思議なもんです。彼らが、今から、どう社会に立ち向かうのか、心配な反面、楽しみでもあります。傷ついても、落ち込んでも、どうにかなると思って、ウロウロして欲しいなぁ。何かあれば、話は聞くんで。

 クリエイターの話から、若者へのメッセージになりましたが、応援しております。
 見聞を広めてください。本を読んでください。いろんなことをしてください。
 若さを武器に楽しんでください。
 私が若い頃に言って欲しかった言葉です。