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舞台の床を踏み鳴らす−キュイ『前世でも来世でも君は僕のことが嫌』

(ネタバレを含みます) 青年団リンクキュイの新作では「夢」と設定されたばらばらの4つのシチュエーションを8人の俳優がそれぞればらばらの役になって繰り広げられる。それはクリストファー・ノーランの『インセプション』や押井守の『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』のような複数の夢同士をはしごする作品と紹介すれば少し、イメージしやすいかもしれない。しかし、編集一つで空間や時間の移動が可能な映画とは違い… 続きを読む

庭劇団ペニノ『地獄谷温泉無明ノ宿』とドワイヨンの『ロダン』、いくつかの連想

表題の二つの作品、一つは舞台、もう一つは映画についてから考えたことを少し述べたい。『地獄谷…』の作者には、そんな意図は少しもないかもしれないが、これが少々意地の悪い解釈になることを許してほしい。 この11月、KAAT 神奈川芸術劇場、JR桜木町駅から徒歩15分ほどの、ほとんど横浜の一等地の一角と言ってもいい劇場に足を運んだのは、1年ほど前に戯曲を読んだときに、この作品の特異性というのがよくわからなかっ… 続きを読む